Naoki Knot vs Berluti Knot
ナオキ結び、ベルルッティ結び、イアンセキュア結び(Ian’s Secure Knot)など各種の結び方には、よく似たものが多数あります。
これらのIan’s Secure Knot、Surgeon’s Shoelace Knot、Turquoise Turtle Knot、Equality Knot、Better Bow Knotなどは、結び方は異なりますが、結び目としては、基本的に同じタイプの強化蝶結びを完成させます。
このページでは、こうした結び方を便宜上 「セキュア系の強化蝶結び」 と総称します。
ナオキ結びのメリット
各種セキュア系の強化蝶結びとの比較の結論は、あらゆる点でナオキ結びが優れています。
ナオキ結びの最大の特徴は、イアン結びの速さと基本動作をそのまま利用できることです。
- 非常に速く結べる
- イアン結びと連続した手順なので覚えやすい
- 結び始めが同じ手順なので、イアン結びとナオキ結びを結びながら判断して結び分けられる
- 慣れれば手元を見ずに、手探りだけで結べる
- 毎回同じ結び始めなので、縦結びを避ける左右の組み合わせに迷いにくい
急いでいたり、紐が短くて結びにくいような場合は、そのままイアン結びで。ほどけにくくしたいときは、締める直前に判断してナオキ結びに切り替えられます。
セキュア系の強化蝶結び
セキュア系の強化蝶結びの代表的な結び方を挙げます。
- Ian’s Secure Shoelace Knot
イアン・セキュア・シューレース・ノット/イアン・セキュア靴ひも結び - Surgeon’s Shoelace Knot
サージャンズ・シューレース・ノット/外科医靴紐結び (※Surgeon’s Knot / 外科結び とは全く異なる結び方です) - Turquoise Turtle Knot
ターコイズ・タートル・ノット - Equality Knot
イコーリティ・ノット/均衡結び - Double Slip Knot
ダブル・スリップ・ノット/二重引き解け型の蝶結び - Better Bow Knot/ベター・ボウ・ノット
- Berluti Knot
ベルルッティ・ノット/ベルルッティ結び - Naoki Knot / Ian Knot Plus
ナオキ結び/イアンノット・プラス … イアン結びの工程の最終段階に、ターコイズ・タートル・ノット同様の強化手順をイアン結びから連続する指づかいに組みいれた結び方。
日本では、この系統を「二重蝶結び」「二重蝶々結び」「二重結び」と呼ぶ例があります。 ただし一部には「二重蝶結び」には、蝶結びの上からさらに結ぶ方法や、左右に2組のループを作る方法をそのように呼ぶこともあり、定義は一定していません。
ベルルッティ結びは複数の結び方混ざって伝わっています
「原型ベルルッティ結び」
古いBerlutiの公式図に基づく原型は、Ashley Book of Knotsの Double Shoestring Knot に相当すると考えられており、その原型では、通常の蝶結びから片側のループだけをもう一度中央へ通します。
そのため、一方は二重保持。もう一方は一重保持。という非対称な構造になります。
「対称型ベルルッティ結び サージャンズ・シューレース・ノット・タイプ」
ベルルッティでは、公式として、初出時の片側二重型から、両方を二重化したサージャンズ・シューレース・ノットの方式に改めたものを公開していました。これが現在「ベルルッティ結び」として知られているもので主流となっているものです。最初のひと結びを左を上にして2回通したダブルストレートノットで開始し、サージャンズ・シューレース・ノットと同一工程のものになっています。日本で「ベルルッティ結び」として認識されているのもこのタイプです。
「対称型ベルルッティ結び ベター・ボウ・ノット・タイプ」
長らくサージャンズ・シューレース・ノット方式を公式で公開していたベルルッティですが、2026年現在では公式サイトでベルルッティノットの紹介に添えて、職人がベルルッティ・ノットとして靴紐を結びあげる工程を動画で紹介しています。
この工程は、以前のサージャンズ・シューレース・ノットとは異なり、職人が片方のループと、それを持っている親指ごと反対の紐を2回巻き付け、親指を抜いて親指のあったスペースに紐の端でループをつくって通すという、ベター・ボウ・ノットの工程で紹介されています。
公式だけで少なくとも3種類の結び方が確認されており、揺れの多いベルルッティ結びを定義することは難しいようです。
ナオキ結びと原型のベルルッティ結びとの違い
違いは、イアン結びを締める直前の追加工程を見ると明確です。
ループだけを中央へもう一度通す → 原型のベルルッティ結びの片側二重構造
ループと隣の紐端を一緒に通す → ナオキ結びの左右対称な二重保持構造
ナオキ結びでは、ループだけでなく紐端も一緒に通すことで左右対称な二重保持構造を完成しています。
「最初のひとむすび」を二重にする必要はある?
主にベルルッティ結びなど、セキュア系の強化蝶結びの最初の手順としてよく紹介される方法に、最初の結び目を左を上にして2回巻くダブルストレートノットがよく使われます。これは紐の摩擦が高まるので紐を持ち替えながら蝶結びを形成している間に、最初の部分が緩むのを避ける効果がありますが、結び目が横に広がり、全体をコンパクトに締めにくくなるので、完成した結び目は緩みやすくなります。
イアン結びでは、紐端をつかんでテンションを保ったまま結ぶことができるため、最初の結び目の緩み対策をする必要がありません。イアン結びとの手順を共通化するためにも最初のひとむすびトを一重のまま使います。ほとんどの場合で二重にしたときよりも強固な結び目が完成します。
ナオキ結びの特長
このように、ナオキ結びは新しい完成形の結び目を作ることを目的としたものではなく、既に知られているセキュア系の強化蝶結びの強固な二重保持構造を、Ian Knotの速さと手順を保ったまま作ることを目的として考案されたものです。
そのまま締めればIan Knot。 追加手順を加えればNaoki Knot。同じスタートから、必要に応じて2つを使い分けられる。別系統の手順を習得する必要がない。それがNaoki Knotの最大の特徴です。